多職種協働の必要性と現状

介護職の仕事は、介護施設において介護職と介護サービスの利用者、その家族だけで成り立っていると思う人もいますが、そのようなことはありません。

どのような介護施設で働いていたとしても、介護職以外の医師や看護師、薬剤師、リハビリスタッフなどの多職種との協力が必要不可欠といえる仕事です。

しかし多くの介護施設ではその協力が上手くいかず、介護職がほかの職種の人々に不満を持つこともあり、逆にほかの職種の人が介護職に不満を持つこともあります。

これは、専門分野の違いによる意見の対立をはじめとして、収入格差の問題、上下関係などが関係していることが多いようです。

医師や看護師は医療分野の専門家で、介護職は生活面での専門科というように、それぞれの専門が異なることから、専門的な知見を優先して意見の対立が起こることがあります。

介護職はその重要性が見直されてきた職種ではありますが、いまだに平均給与が満足に上がっているとは言い切れません。

同じ職場で働いているのに大きな収入格差があることが、不満の原因となることもあります。

そして、医師や看護師といった職種は資格取得が困難であることから、介護職よりも医師や看護師の方が立場が上だと感じさせ、無意識に軽んじてしまうこともあるようです。

しかし、これらの不満はいくつかの工夫によって緩和することが可能です。

お互いの専門分野を尊重するということ、専門的な知識は自己判断せずに頼ること、そして何よりサービス利用者を第一に考えることが協力のためのポイントです。